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ワックス型作製

原型の形状が忠実に再現されたゴム型内の空洞に、溶けたワックス(インジェクションワックス)を圧力により射出して、ワックスによる原型と同じ形の立体コピーを作製します。この工程で鋳造を希望する数量のワックス型を射出成型します。用意するワックス型の数量は、鋳造の『歩留まり』(鋳造目的数を100%として、鋳造成功の確率が何パーセントかを予測したり、経験値により数値化した成功率を差します。)により、損失数を上乗せしてワックス型の数量を決めます。ちなみに、ワックス射出の際に、『形になり難い形状』や『引け(収縮によるヘコミ)』が発生する場合は、一般的に鋳造でも難しいと考えて良いでしょう。この場合には、ワックス型の数を更に多目に用意しておく方が賢明と言えるでしょう。
ワックスを射出する装置には、大きく分けて、『大気圧力式』『真空機能付き』『真空・自動射出式』『彫刻用(ハード)ワックス対応式』のワックスポットの4種類に分類されます。ここでは、最も一般的な大気ワックスポットを使用したワックス型作製を掲載していますが、ワックス型作製についての基本は、機種の違いで変わるものではありません。どの機種に関しても『適切なワックス温度』や『適切な射出圧力』の選択が必要とされます。射出され成型されたワックス型は、1つひとつ検品を行い、『充填不足』『気泡の有無』『歪みの有無』『バリの有無』『湯ジワ(温度不足による皺(シワ)状の荒れや段差)の有無』『パーティングラインの状態』などをチェックして、良品と不良品を分け、手作業による修正が可能なものは修正工程に廻します。尚、ワックス型の気泡の原因には、『ワックス溶解温度の高過ぎ』の場合と『ゴム型のベント(空気抜き)処理の不良又は不足』『真空のかけ過ぎによるもの』に分けられます。ワックス型の決まった場所に必ず現れる気泡は、その箇所のゴム型に空気抜きの切り込み等を入れ、ゴム型の修正で対応します。パーティングラインは、大きな段差として現れている以外は、一つずつ修正して、ラインを消します。


ワックスインジェクション/ゴム型へのワックス充填
手動の大気ワックスポットを使用してワックス型を成型する場合、『ゴム型押え』という器具でゴム型を押さえて射出作業を行います。これは、万が一溶けたワックスがゴム型から漏れ出しても、手に火傷を負わないための処置と、ゴム型を押さえる圧力を平均させ、ワックス型の体積を一定化させるための2つの理由で使用されます。
実際の射出作業では、ゴム型をワックスポットの射出口に対して『平行』『水平』にして強めにゴム型を押し込みます。射出圧力が適切であれば、大きさにもよりますが、1秒もしないうちにゴム型内にワックスが充填されます。ワックスがゴム型の脇から勢いよく漏れ出す場合には、『注入角度が不適切』『必要以上の圧力』『不適切なゴム型の押え方』『ゴム型を押す力の強過ぎ』のいずれかです。この場合、射出圧力がゴム型の外へ逃げてしまうため、ゴム型内の空洞にワックスが完全に満たされていない場合がほとんどです。ワックス漏れが無いのに、ワックス型に射出不良が発生する場合には、『ゴム型にベントを付ける』『ゴム型からワックスが漏れ出さない範囲で射出圧力を上げる』『射出時間を長めにする』のいずれかか、併用した処置を取ります。
また、ゴム型が暖まると、射出不良が発生しやすくなる傾向があるので、数を多く取る場合には、定期的にゴム型を冷やしながら作業を行います。充填後は、ワックスが完全に硬化するまで待ち、ワックス型を取り出します。尚、真空を使用しない大気ワックスポットで微細なデザインのワックス型を取る場合には、『ワックスの完全充填』を優先させるため、意図的にバリ(はみ出し部)を出しながら射出成型し、後の修正工程でバリを除去する方法を用いる場合があります。


ワックス射出成型作業の流れ

ゴム型にタルク又はベビーパウダーなどの粉を、ゴム型のベント部に擦り込むように塗り、射出時の空気の抜けを良くします。(パウダーを塗った最初のワックス型の表面は、粉により肌荒れを起しているので、2回目からの成型品を鋳造用とします。) ゴム型押えを使用しながら、ゴム型を均一な力で押さえて射出ノズルに押し当て、ワックスを注入します。 ワックスが硬化したら、ゴム型を開け、中子(ナカゴ)などのゴム型パーツから取り外します。 最後に湯道を持ちながらゆっくり丁寧にワックス型本体を抜き取ります。

ワックス修正
鋳造希望数量より多少多目のワックス型を成型したら、ワックス型の修正を行います。このまま鋳造を行うと、バリなどの余分なものが金属に置き換わり、ワックス時での修正以上に手間がかかってしまうので、この段階で出来る限りきれいに修正を行います。ゴム型の界面部のワックス型に発生するパーティングライン、穴や石座の中に出来る薄膜も取り除きます。気泡等は修正用として使用するラインワックス等で埋めることも可能ですが、ワックス型の面を整えるのに、時間と慣れが必要になるので、可能であれば、なるべくゴム型を修正して、再度作り直しをする場合が殆どです。この修正時にワックス型の湯道部の先端を整形します。また、指輪などの場合、ワックス修正を熟練すれば、この段階でサイズ棒を使用して、希望する指輪サイズに直すことが可能となり、これにより金属でのサイズ直しより確実に効率よく作業を行う事ができ、サイズ直しによるロウ目(ロウ材と製品部の金属の純度(色)の違いによるロウ材の筋)の発生を押さえる事が可能です。

右の写真のワックス型は、この撮影のために、意図的に注入圧力を上げてインジェクションしたものです。実際の作業では、この様なバリが発生した場合には、修正に手間がかかるため、射出圧力を下げてから、射出成型のやり直しをお奨めします。


ワックス型修正作業の流れ

発生したバリをヘラ(レクロン刀)や専用工具(ブローチ針)で丁寧に取り除きます。 石座の中などの貫通穴に発生するバリを除去しながら、指なじみ(指輪の指に接する面)や特に先端部(爪など)などに気泡が無いかどうかをチェックします。 パーティングラインを消します。あまり段差がある場合にはワックス型を取り直します。 湯道の先端の形状を整え、必要な数より多少多目のワックス型を完成させます。保管する場合は、ワックス型にキズや汚れが付かないよう注意します。

⇒次の工程は【ワックスツリーの組み立て】です。

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