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ゴム型作製

ゴム型は、原型と同じ形のワックス型を作製するための、ワックス型に対する『雌型(メガタ)』の役割をはたすもので、ロストワックス鋳造でのコピー用の元型となります。
このゴム型(ゴムカット)の善し悪しで、これにより作製されるワックス型の良・不良が左右され、場合によっては、無だな修正の手間を余儀なくされてしまうので、適切な硬度のシリコーンゴムで的確なゴムカットを行う事が理想とされています。ゴムカットは一般的に難しいものとされていますが、適切な練習を繰り返せば、比較的短期間で殆どの形状をゴムカットできるようになります。ゴムカットの基本は、ゴム型内の原型のデザインを把握し、作業中は、しっかりとゴムを開いて、メス刃を入れる場所を的確に選択することです。的確なメス刃を入れる場所とは、(1)2度切り(同じ場所のカットを2度切る事)を行わない。(2)アンダーカット(原型に対してシリコーンゴムがオーバーハングしたような状態)にしない。(3)修正が難しい場所(テクスチャーの上や文字の上等)にパーティングライン(ゴムの切断面)を出さない。などです。
シリコーンゴムには幾つかの種類があります。大きく分けて熱により硬化させる熱加硫式と、主材と硬化剤にわかれていて、使用時に硬化剤を混ぜる事により硬化させる二液式(RTV式)の2種類があります。RTV式は、特に熱のかけられない原型の型取りや熱加硫機(ホットプレス)の設備が無い場合に有効な素材で、硬化剤の分量の調節で多少の硬度が調節できますが、RTVの種類や硬化剤の入れ過ぎ等により、裂けやすい傾向がありますので、あまり繊細なデザイン(微細な穴や大きな切れ込みを入れる必要のある形)のゴム型には不向きな場合があります。鋳造工場など、一般的には熱加硫機で硬化させるシリコーンゴムを使用しています。RTV式と比べ値段も安く、硬度や質(引っ張り・引裂き強度)の違いで素材を選ぶことができます。硬度の選択基準に関しては、ゴム型の切りやすさを優先すれば、当然軟らかい方が作業性が優れますが、ゴムが軟らか過ぎるとゴム型内の『壁』が、ワックス射出時の圧力に負けて変形しやすく、ワックス型肉厚の不良や段差の原因になる場合があります。また、製品のデザインがソリッド(裏抜きが無く、肉厚なも)に近い物や大きな物の場合、ゴム型内の空洞体積が大きくなるため、軟らかいシリコーンゴムの場合、ゴム型自体に『たわみ』が出やすく、ワックス射出時のゴム型の押え方により、ワックス型の変形やワックス重量の不均一(個々の鋳造品重量の不定量)につながり、製品の変形による返品や、販売価格が決まっている場合には、重量の違いに起因した不均一なコスト(地金量)による損失などのリスクがあるので、この場合には硬めのシリコーンゴムを使用します。特に、板状のデザインには硬度の高いゴムを使用します。また、オート式のワックスポットにも硬めのゴムが使用される傾向があります。シリコーンゴムの質に関しては、特に石座や穴などが多くあるデザインの場合、ゴムカットの際にゴムを引っ張りながらカットするため、引っ張り・引裂き強度が弱いシリコーンゴム(一般的には低価格のシリコーンゴム)を使用すると、ゴムカット中に予定外の場所からゴムが裂けてしまう可能性があるので、上質なシリコーンゴムを使用します。
この工程説明では、最も一般的な熱加硫式のシリコーンゴムでのゴム型製作を使用してご紹介しています。


原型の埋め込み
アルミ枠と呼ばれる枠の中に、金属三角錐(使用するワックスインジェクターの射出口と同じ形の金属型/汎用型もあります。)に取付けた湯道付き原型をセットします。まず、アルミ枠の底部に、アルミ枠の厚さの約半分程の板状のシリコーンゴムを置きます。その上に、金属三角錐に装着した原型(中石座など大きな穴や窪みの部分には、予めシリコーンゴムを詰めておきます。)をセットし、その上から、ちょうど原型をシリコーンゴムでサンドイッチにするように、残りの空洞部にシリコーンゴムを枠の厚みまで充填します。アルミ枠の上下にはセロファン紙とアルミ板を置きます。セロファン紙の目的は、熱加硫後にシリコーンゴムとアルミ板のくっつきを防止するためです。この状態でホットプレス機と呼ばれる熱加硫装置にかけ、硬化させます。日本製のシリコーンゴムのほとんどの場合は、約120℃でゴム型厚1mmに対して1分の比率で加硫時間を設定します。例えば、ゴム型厚2cmの場合には、20分の硬化時間が必要とされます。


ゴム型熱加硫作業の流れ

1.アルミ枠に原型とシリコーンゴムをセットします。原型の周りには、最低5mm程度のゴム型の肉厚が必要です。 2.隙間が無いように残りのゴムを詰めます。 3.熱加硫装置にセットして、シリコーンゴムを硬化させます。温度を上げ過ぎると、ゴム型の収縮につながります。また、逆に温度が低い場合には、収縮は押さえられますが、加硫後のゴム硬度が低くなる傾向にあります。 4.熱加硫完了後、枠を水などで冷やした後ゴム型を取り出します。

ゴムカット
熱加硫が完了したゴム型をメスを使用して2つに切りおろします。ゴムカットの際には、充分にゴムを引っ張り、2つに割ったゴムが原型に『被らない』よう、アンダーカットに注意してカットします。アンダーカットされたゴム型は、ワックス型をゴム型から取り出す際にアンダーカット部がワックス型を引っ張り、変形を誘発する場合があります。ゴム型を上下2つに切り分けた際の原型側の境界線には、『パーティングライン』と呼ばれる筋が現れます。このパーティングラインは後の工程で修正しますが、修正の難しい場所にパーティングラインを出さないよう、ゴムカットの段階で注意します。また、ゴム型の切り方が悪い場合や、使用したシリコーンゴムそのものの『復元性(元の形に戻ろうとする性格)』が充分でない場合には、パーティングラインが段差としてワックス型に現れる場合があり、修正に時間がかかってしまうので、場合によっていは、ゴム型の作り直しやゴム質を良いものに変えてからのゴム型の作り直しを余儀なくされる場合があります。余談ですが、コスト面から低価格のシリコーンゴムの使用を余儀なくされる場合もありますが、その際にはこの様なリスクが存在する事を念頭におく必要があります。


ゴムカット作業の流れ

1.まず、金属三角錐を取り外し、ゴム型の外周に波型のカットを入れた後にゴムカットを開始します。 2.原型の形に沿い、パーティングラインの場所に注意しながらゴムを二枚に切りおろします。 3.原型をはさんで、内側と外側につながっているゴムを充分引っ張りながらカットします。 4.原型をゴム型から取り外します。

⇒次の工程は【ワックス型作製】です。

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