吉田キャストは日本で一番歴史の長い鋳造機メーカーです

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鋳造物の取り出し

鋳込み(鋳造)が完了した鋳型を水に入れ壊し、鋳型の中の鋳造物を取り出す作業から始まり、個々の鋳造物の堰(セキ)から湯道(ゲイトスプルー)を取り外して、その切断場所を整形するまでの作業です。
鋳造後の鋳型は、少しのあいだ放冷します。これは、鋳造直後の鋳型をいきなり水にいれて急冷すると『急冷爆発』や『急冷収縮のための地金の割れ』を防止するためですが、あまり冷却し過ぎると、鋳型から鋳造物が取り出し難くなります。また、銅の含有量の多い『赤割り』と呼ばれるK18合金などの場合には、逆に急冷が必要になります。徐冷すると、たとえば指輪のサイズ直しの場合など、製品を再加熱したときに地金に『割れ』が発生する場合があります。このように地金によっては推奨される鋳造後の処置が違う場合があります。
多少放冷した鋳型(湯口部の押し湯の色が、室内照明下で黒っぽくなる状態)を、予め準備した水を入れたバケツの中に浸けます。この時は鋳型の筒の両端が左右に来るような状態にして浸け込みます。鋳型の埋没材が大凡取れ、中の鋳造ツリーが取り出せるようになったら、鋳造ツリーにこびり付いている埋没材を細いヘラなどで出来るだけきれいに取り除きます。その後、超音波洗浄機にかけ、細部の埋没材をきれいに除去します。この時点での鋳造ツリーには酸化膜で覆われているため、硫酸などの酸に入れ(ピックリング)酸化膜を除去します。酸を洗い流した鋳造ツリーからニッパーなどで製品部を切断し、湯道を整形してロストワックス鋳造の全行程を終了します。この後製品は研磨作業に入ります。


鋳造物の取り出し/鋳型のクインチング
鋳型の急冷破壊(クインチング)工程では、右図のようなポリバケツに水を張り、中間に金属製のネット(ザル)を針金などで吊るしておきます。ザルのメッシュは2~3mm程度が目安です。これは、万が一鋳込み不良などで完全な鋳造物が鋳込めず、半端な形で鋳型内に地金が残った場合、間違えて埋没材と一緒に地金を廃棄しないための処置です。このバケツは、金属製のバケツでも代用が可能ですが、容量が小さいと水がすぐに暖まってしまい、冷却効果が薄れたり、埋没材排材がすぐに溜まってしまうので、こまめな水の張り替えが必要になります。
実際のクインチングの際には、図のように鋳型を横にして鋳型の湯口部と底部を人に向けないように注意します。冷却途中で破壊状態を確認するため、鋳型を水から出す際にも同様の注意が必要です。これは、高温の埋没材が急冷され、埋没材が飛び散る場合があるので、安全のための処置です。横にした鋳型を水に漬け込む際、鋳型の1/3程度を水に浸け、鋳型の周囲を壊します。この状態にしておくと、次に鋳型を水没させた際に、鋳型の中心部まで水が入り込み、効果的な急冷破壊ができるからです。鋳造ツリーを鋳型から外した後は、ヘラなどで埋没材を掻き出すように取り除きますが、その際鋳造ツリーが冷め切っていない場合があるので注意します。またこの作業の際には、鋳造ツリーを観察し、湯廻り不良(鋳造されるべき場所に地金が満たされていない状態)などが無いかを確認します。万が一湯廻り不良などを発見した場合には、地金が埋没材排材に紛れていないかを確認します。


クインチングとピックリング作業の流れ

1.鋳型の湯口部の押し湯の色が黒味を帯びてきたら、鋳型を水に浸けクインチします。 2.フラスコから鋳造ツリーを抜き取り、ツリーにこびり付いた埋没材をヘラなどでできるだけ取り除きます。 3.鋳造ツリーを超音波洗浄機にかけ、細部に付いた埋没材を落とします。加工用の超音波洗浄機を使用します。 4.鋳造ツリーは、酸化膜で覆われているので、希硫酸でピックリングします。コンロなどで加温すると短時間で除去できますが、安全のため沸騰させず、換気の良い場所で行います。

製品部の切り放しと湯道整形作業の流れ

5.酸洗い後の鋳造ツリーは、水で良く洗浄し、ドライヤーなどで乾燥させます。 6.ニッパー等で鋳造ツリーから製品部を切り放します。糸鋸での切り放しは、粉地金は発生し、鋳造地金として不向きなため、糸鋸での切断はできるだけ避ける事をお奨めします。 7.製品部に残った湯道(ゲイトスプルー)をニッパーとヤスリで整形します。 8.指輪の場合、芯金棒(シンガネボウ)と木槌でリング部の真円を出し、必要に応じてヤスリやリューターで再度整形します。

ご注意とお願い

環境保全のため、酸処理で使用した硫酸などの処理は必ずアルカリで中和し、リトマス試験紙で中和を確認の上、産業廃棄業者へ廃棄処理を委託して下さい。そのままの状態で廃棄・投棄すると法律により罰せられる場合があります。 埋没材などの排材の処理は、産業廃棄業者に廃棄を委託して処理して下さい

⇒次の工程は【地金の再生】です。

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