一方向性真空吸引鋳造機
一方向性真空吸引鋳造機の構造イメージ


図のように、鋳型の下から真空吸引で溶湯を引っ張り地金の流れをアシストします。
鋳型を真空雰囲気にする密閉容器(チャンバー)を必要とせず、鋳型は大気開放でできるので、装置は比較的低価格です。
しかし、鋳込みの方向性が上から下への単一方向なので、鋳型に対して水平方向への鋳込み能力が低下します。このためワックスツリーの立て方や湯道の取り付け方を重力に逆らわないように取り付けるなどの工夫が必要です。
多方向性真空吸引に比べ、鋳造の方向性への対応が求められるため、鋳造物の形状により鋳込み不良が発生する場合があります。
多方向性真空吸引鋳造機
鋳型の筒の側面に穴の開いた吸引鋳造専用の穴あきフラスコが必要です。
鋳型は真空容器に入れ鋳型の底部と側面の穴から全体的に真空吸引を行うことができます。このため真空吸引方向(鋳込み方向)が水平にも確保されるため、鋳造性が向上します。ブロックモールド法で基本となる樹枝状のワックスツリーが使用できます。
鋳造機の機構では、フランジ付きの穴あきフラスコを使用します。鋳型の上部を大気開放し、フランジより下で真空吸引を行う簡易型と鋳型を密閉容器に入れて容器全体を真空にし、金属の溶解も真空中で行える2つのタイプがあります。
多方向性真空吸引鋳造機(簡易型)
多方向性真空吸引鋳造機(簡易型)の構造イメージ


一般的に鋳造機の価格を抑えるため熱源(金属の溶解機能)が搭載されない場合が多く見られます。
図のように鋳型のフランジで真空容器を密閉して『首から下』を真空吸引します。真空が漏れないようにフランジ部にはドーナッツ状の耐熱シール材を取り付けます。カーボンやシリコーンゴムで作られていますが、数回の鋳造で劣化するため、ほぼ使い捨ての消耗材料です。
真空溶解多方向性真空吸引鋳造機
真空溶解多方向性真空吸引鋳造機の構造イメージ


鋳型を真空容器に入れ全体を真空吸引します。鋳型の湯口部は鋳型下部と分離されています。鋳型上部には底注ぎ式のルツボが設置され、ルツボ内で溶解された金属をルツボの穴から下へ注湯します。
この方式では、ルツボ内の金属を不活性ガス雰囲気で溶解することが可能なため、大気溶解で発生するスラグなどの発生を低減できます。

