鋳造物取り出しの基本
多少放冷した鋳型(湯口部の押し湯の色が、室内照明下で黒っぽくなる状態)を、予め準備した水を入れたバケツの中に浸けます。鋳型の埋没材が大凡取れ、中の鋳造ツリーが取り出せるようになったら、鋳造ツリーにこびり付いている埋没材を細いヘラなどで出来るだけきれいに取り除きます。
その後、超音波洗浄機にかけ、細部の埋没材をきれいに除去します。この時点での鋳造ツリーには酸化膜で覆われているため、硫酸などの酸に入れ(ピックリング)酸化膜を除去します。酸を洗い流した鋳造ツリーからニッパーなどで製品部を切断し、湯道の跡を整形してロストワックス鋳造の全行程を終了します。この後製品は研磨作業に入ります。
事前準備
鋳型のクインチング
クインチングとピックリング作業の流れ
クインチ
鋳型の湯口部の押し湯の色が黒味を帯びてきたら、鋳型を水に浸けクインチします。
横にした鋳型を水に漬け込む際、鋳型の1/3程度を水に浸け、鋳型の周囲を壊します。この状態にしておくと、次に鋳型を水没させた際に鋳型の中心部まで水が入り込み、効果的な急冷破壊ができます。

埋没材が飛び散る場合があります
図のように鋳型を横にして鋳型の湯口部と底部を人に向けないようにしてください。冷却途中で破壊状態を確認するため、鋳型を水から出す際にも同様の注意が必要です。
鋳造ツリーを確認する
鋳造ツリーを観察し、湯回り不足などが無いかを確認します。万が一湯廻り不良を発見した場合には、地金が埋没材の廃材に紛れていないかを確認します。
超音波洗浄機にかける
鋳造ツリーを加工用の超音波洗浄機にかけ、細部に付いた埋没材を落とします。

ピックリング
鋳造ツリーは酸化膜で覆われているので、希硫酸でピックリングします。コンロなどで加温すると短時間で除去できますが、安全のため沸騰させず換気の良い場所で行います。

製品部切り放しと湯道整形作業の流れ
洗浄する
酸洗い後の鋳造ツリーは水で良く洗浄し、ドライヤーなどで乾燥させます。

製品部を切り放す
ニッパー等で鋳造ツリーから製品部を切り放します
糸鋸での切り放しは、落ち粉が発生し鋳造地金として再利用に不向きなため、できるだけ避ける事をお奨めします。
洗浄する
製品部に残った湯道をニッパーとヤスリで整形します

指輪の場合の整形
指輪の場合、芯金棒と木槌でリング部の真円を出し、必要に応じてヤスリやハンドモーターなどで再度整形します。

ご注意とお願い
環境保全のため、酸処理で使用した硫酸などの処理は必ずアルカリで中和し、リトマス試験紙で中和を確認の上、産業廃棄業者へ廃棄処理を委託して下さい。そのままの状態で廃棄・投棄すると法律により罰せられる場合があります。 埋没材などの排材の処理は、産業廃棄業者に廃棄を委託して処理して下さい。

