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鋳肌の荒れ|鋳造欠陥の種類から見る『鋳造品で失敗しがちな7つの原因』②

鋳造欠陥とは、鋳造工程において起きる鋳造(鋳物)の不具合のことを指します。鋳物の割れや表面の荒れ、内部に空洞ができる鋳巣など、不良現象は様々です。鋳造欠陥はいくつかの種類に分類され、それぞれ異なった原因を持っています。また、鋳造工程が多岐にわたるため原因は1つとは限らない場合もあり複雑なケースがほとんどです。

代表的な不具合は、大きく6個のカテゴリーに分類されます。まずは「鋳肌の荒れ」の原因と対策から見ていきます。

鋳込み不良 鋳肌の荒れ バリ/突起 鋳物の割れ 鋳巣 ヘコミ

鋳肌の荒れとは

鋳肌の荒れとは、埋没材で現れる表面祖度と比べて、鋳造品の全面、または一部の表面に滑らかさがない現象です。主に溶湯の温度に起因しますが、中には鋳造の局部的な割れにより製品部の一部に「荒れ」が発生する場合や、埋没材と水の混水比や鋳型の通気性阻害などによるガス発生に起因する窪みなどが挙げられます。

鋳肌の荒れはなぜ発生するのか、その対策とは

鋳肌の荒れが起こる原因は大きく7つに分類されます。それぞれ原因と対策を紹介していきます。

原因1 溶湯温度が高すぎる

溶湯温度を高くしすぎるために、鋳造中に鋳型の表面との化学的な熱反応によって起こります。また、極端な場合には埋没材との「焼き付き」が発生することもあります。溶湯温度を低めに設定し鋳造してください。

押し湯から製品部に直接溶湯が流れ込むワックスツリー形状では、湯道堰(ゆみちぜき)周辺にホットスポットが発生します。この場合は、押し湯から製品部までの湯道の距離や形状を変更してください。

焼き付き(センタースプールの黒い箇所)

焼き付き(センタースプールの黒い箇所)

原因2 鋳型温度が高すぎる

鋳型の温度が高すぎると溶湯温度が下がらず、鋳型表面との化学反応によって鋳肌が荒れることがあります。鋳型の鋳造温度を下げて鋳造してください。

原因3 残渣ガスの発生

残渣ガスによる鋳肌の荒れは、主に加圧鋳造に多く見られる現象です。

鋳型焼成において鋳型内の物が完全に焼失せず残渣(ざんさ)が残った場合、鋳造時にその残渣から発生したガスにより製品部の全体または一部にヘコミとして現れます。このガスは地金自体に含まれている場合や鋳型の通気性不足(埋没材の混水比の下げすぎ)に起因する場合があります。残渣が残らないよう焼成温度勾配を変更する必要があります。

原因4 鋳型の水分量

① 水分量が多い場合

埋没材の混水比が多い場合、密度が低下して粒子間の隙間が大きくなり鋳型表面が荒れることがあります。埋没材の混水量が多すぎないか確認してください。

② 鋳型の残留水分が少ない場合

過度に鋳型を乾燥させると鋳肌の荒れが起こります。石膏系埋没材の場合、鋳型への埋没作業の完了から焼成開始までの時間が長く経過した場合や、非常に乾燥した環境で放置した場合に、鋳型に必要な水分が抜けて鋳肌の荒れにつながります。

原因5 湯皺(ゆじわ)

鋳物の表面にシワが発生する現象です。主に溶解不足によるもので鋳込み不良が発生する寸前の状態とも言えます。

鋳型の鋳造温度、または鋳造時の地金温度を高くしてください。

原因6 通気性不足

石膏系埋没材は、混水比が低いと通気性が損なわれます。

シリカ系埋没材など、バインダーを使用して固める埋没材の場合は、バインダーの水の希釈率が低いまたは濃すぎる、またバインダー水溶液と埋没材粉の混水比が低すぎて起こる鋳型の通気性不足から、鋳型にガスが残留し窪みが発生する場合があります。

埋没材やバインダーの混水比を調整して通気性を確保してから鋳造してください。

また、シリカ系埋没材で使用するバインダーは高温でシリカに変化します。この鋳型を最高温度(900~950℃)で長時間焼成するとバインダーの焼結が過多になり、シリカの焼結結合が進みすぎて通気性が阻害されます。

焼成時間を短縮させて鋳造してください。

原因7 鋳型の崩れ

鋳型内の内壁が何らかの原因で部分的に欠落して局部的な肌荒れを起こします。

注意
埋没材の粒度(粒の大きさ)が荒い埋没材に起因する荒れもあります。

鋳肌の荒れの対策まとめ

紹介した原因から分かる対策を以下にまとめます。

① 溶湯温度と鋳型温度を下げる

② 湯道の距離や形状の変更をする

③ 鋳型の焼成温度勾配や焼成時間を変更する

④ 埋没材やバインダーの混水比と密度を調整する

⑤ 鋳型の鋳造温度や地金温度を上げる

⑥ ワックスツリーのへこみや鋳型強度を確認する

原因はひとつとは限りません。すべての項目をもう一度見直して様子をみてください。

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