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鋳物表面の欠け込み・面引け|鋳造欠陥の種類から見る『鋳造品で失敗しがちな3つの原因』⑥

鋳造欠陥とは、鋳造工程において起きる鋳造(鋳物)の不具合のことを指します。鋳物の割れや表面の荒れ、内部に空洞ができる鋳巣など、不良現象は様々です。鋳造欠陥はいくつかの種類に分類され、それぞれ異なった原因を持っています。また、鋳造工程が多岐にわたるため原因は1つとは限らない場合もあり複雑なケースがほとんどです。

  鋳込み不良 鋳肌の荒れ バリ/突起 鋳物の割れ 鋳巣 ヘコミ

代表的な不具合は、大きく6個のカテゴリーに分類されます。まずは「鋳物のヘコミ」の原因と対策から見ていきます。

鋳物表面のヘコミとは

鋳物表面のヘコミとは、原型やワックス型にない窪みが鋳造物の表面に発生する現象です。

「欠け込み」や「面引け」など様々な理由が考えられます。原因を十分に把握して対策すると解決する問題です。

鋳物表面のヘコミはなぜ発生するのか、その対策とは

鋳物のヘコミはガスの残留や凝固後の地金の収縮などに起因します。以下に、主な原因とその対策を3つ紹介していきます。

原因1 通気性不足によるガスの残留

加圧鋳造時に鋳型内に残留するガス(気体)が効率的に鋳型外に排出されず、その残留ガスにより鋳造物表面の一部に窪みができます。

吸引鋳造や加圧鋳造をする場合、石膏系埋没材と水の混水比が低すぎたり、シリカ系埋没材とバインダーの濃度が高すぎると埋没材の粒子間の隙間が密になり、鋳型の通気性が阻害されると発生します。また、シリカ系埋没材では焼成温度で長時間放置すると同じことが起こります。もちろん、地金に内在するガスやルツボ等からのガスの発生が原因でヘコミが発生する場合もあります。

鋳物表面のヘコミの断面イメージ

鋳物の表面に『あばた』のように発生し内部は荒れている場合が多く、特にプラチナの加圧鋳造で見られることが多いです。

原因はガスの残留ですが、まず疑う原因は、埋没材(シリカ系)で使用するバインダーの希釈率と粉とバインダー水溶液の混合比です。

これらが適正な場合には、鋳型焼成の焼結プロセスで定められた温度と時間が適切かどうかを確認する必要があります。また、地金の脱ガスなどを行い、ガスの発生につながる要因を消していきます。

原因2 欠け込み

鋳造の際、鋳型内の突起状の埋没材などが溶湯の勢いに負けて欠けてしまい、鋳造物内に埋没材などが残留、またこの埋没材の一部が表層に留まり、この部分に人工的なヘコミが発生します。

埋没材の欠け込みでは、この異物の周辺に埋没材の破片から発生したガス鋳巣が発生している場合が多く見られます。

欠け込みの断面イメージ

 他の鋳巣と比べ人工的なヘコミ形状になります。ワックスツリーなどのヘコミ(埋没材の突起)や鋳型強度が保たれているかなどを検討する必要があります。

原因3 面引け

面引けとは、肉厚形状のかたまりなどでその鋳物の表面が全体的に凹む現象のことをいいます。

鋳造は金属を溶解して型に注ぎ入れる為、溶解時金属はほとんどの場合、個体の状態より膨張します。(熱膨張しない金属もあります。)これが凝固の際の収縮の原因となり表面にヘコミが起きます。

『湯道堰(ゆみちぜき)』の太さや取り付け場所、又は『湯溜まり(ゆだまり)』などで収縮の対応策はありますが、基本的に鋳物は凝固時に収縮するため、収縮の工差を事前に検討する必要があります。

面引けの断面イメージ

鋳物本体の厚みが厚いほど凝固時に収縮する性質があります。寸法精度を求める場合には、切削加工や研磨工程で小さくなる寸法を見越して原型を制作する必要があります。

 湯溜まり (ゆだまり) とは・・・

面引けや収縮鋳巣の防止対策として、下図のような『肉薄部の凝固を遅くする』(凝固遅延)為のかたまりを指します。また、取り付け方により、この塊に地金の収縮に見合う量の溶湯を供給させる場合もあります。

鋳物表面のヘコミ対策のまとめ

原因と対策を紹介してきましたが、鋳物表面のヘコミが起こった時の対処法をまとめていきます。

① 埋没材の粒子濃度を調整して鋳型の通気性を確保する

② 鋳型焼成の焼結プロセスが適切か確かめる

③ ワックスツリーのヘコミがあるか確認する

④ 鋳型強度が保たれているか確認する

⑤ 湯道堰や湯溜まりをつくる

⑥ 切削や研磨をすることを見越して原型を制作する

原因はひとつとは限りません。すべての項目をもう一度見直して様子をみてください。

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