吉田キャストは日本で一番歴史の長い鋳造機メーカーです

〒331-0811 埼玉県さいたま市北区吉野町2-269-5
048-662-7730(代表)

生産コストで考える鋳造機の選び方

 

鋳造品の単体が大きい場合には、大きな鋳型に対応する鋳造機が必要です。

宝飾品の指輪など小さなものでも、計画された生産量がどの程度かにより鋳造機のサイズや周辺機器の数量なども変わってきます

 

 

そもそも鋳型のサイズとは

 

鋳造機の大きさは溶解する金属の種類や鋳造法案が同じであれば、溶解量に比例して大きくなり値段が高くなります

 

鋳造物の単体が大きなものであれば、当然その形状が収まる鋳型が必要ですので、有無を言わず大きな鋳造機が必要となります。

 

 

ちなみに、鋳型サイズと全く同じサイズの鋳物ができるわけではありません

鋳型の内壁から最低限必要な鋳型の『壁厚』があります。また、湯口として必要なスペースも計算に入れなければなりません。

 

 

 

生産量が多い場合

 

溶解量が多い鋳造機は、対応する鋳型の大きさも大きくなります。

鋳型のサイズが大きくなれば、単体が大きなものが鋳造できますし、小さいものなら、1鋳型でより多くの製品が鋳造できるので、単純に生産効率が上がることになります。

 

仮に、1時間あたり6鋳型鋳造できる鋳造機があったとしましょう。1日100個の製品を鋳造するとします。

1鋳型に何個の製品が生産できるかを3パターンで見てみましょう。

 

① 1つの鋳型に20個の生産

  鋳型数:5個  鋳造時間:50分

② 1つの鋳型に10個の生産

  鋳型数:10個 鋳造時間:1時間40分(100分)

③ 1つの鋳型に5個の生産

  鋳型数:20個 鋳造時間:3時間20分(200分)

 

この3パターンから、鋳型の数が少ない方が時間的なコストは低くなります

また、鋳型の数が増えると各鋳型に必要な『押し湯』が必要となるので、その分の地金量を削減することができます。

 

但し、生産量そのものを確保するためには、必ずしも大きな鋳型がなければならないとは限りません。それを次で説明していきます。

 

 

 

生産量が少ない場合

 

生産効率だけで考えれば、生産量が多ければ大きな鋳型の方が圧倒的に有利です。

しかし、この計算は『生産量に見合った充分な受注』があって初めて成り立つ計算です。

 

もし想定している鋳造量が予測より少ない場合にはどうでしょうか?

たとえば、その日に必要な生産量が100個ではなく50個と想定しましょう。先ほどの3パターンで考えると、次のようになります。

 

① 1つの鋳型に20個の生産

  鋳型数:2.5個

② 1つの鋳型に10個の生産

  鋳型数:5個

③ 1つの鋳型に5個の生産

  鋳型数:10個

 

この場合に発生する無駄なポイントは①のように端数が発生する時です。
1の場合、3鋳型分の生産になり、割り切れない1鋳型分は10個の生産で鋳型容量の半分の量になります。

 

 

焼成のコストを考えると、鋳型を焼成する焼成炉の大きさにもよりますが、もし20鋳型が入れられる焼成炉であれば、5個でも20個でも焼成に対する生産コストは同じです。

 

 

 

鋳造品の形状や重量が異なる場合

 

上記の考え方は、生産する鋳造品のタイプ(形状や重量)が同じ場合での計算です。

実際の鋳造では、すべて同じタイプの鋳造物とは限りません。形状によっては、鋳型を別々にする必要があります。

 

 

鋳造の場合、その鋳造物の『大きさ』『形状』などにより鋳造条件が異なります。鋳造品質を保つためには、それぞれの鋳造条件で鋳造する必要があります。

微細なものや肉の薄いものは温度を高く、肉の厚いものには温度を低くして鋳造しないと、なんらかの鋳造欠陥が発生してしまうからです。

 

この両方を同じ温度で鋳造すれば、当然どちらかの形状の鋳造品質が劣ってしまい、場合によっては『研磨工程などの後加工の手間』や『作り直し』のリスクが高くなります。

また、もし失敗が多ければやり直し回数が増え、結果的に利益率は下がることになります

 

 

鋳型の数を増やしてリスク分散をしよう

 

どの企業でも仕掛時間(受注から納品まで)の時間は短縮傾向にあります。実際に納期の短期化は進んでいるのは皆さんご存じの通りです。

 

ひとつの鋳型で多数鋳造品が生産できる場合には、大きな鋳型は圧倒的に生産効率が高いことは前述しました。

しかし、鋳造失敗のリスクという視点で見てみると、同じ数量でも鋳型を複数に分けたほうが、たとえ一つの鋳型で失敗が発生しても、全損を逃れられる可能性があります

その点、大きい鋳型は高いリスクを負う場合があります。

 

 

 

 

まとめ

 

大きな鋳型のメリット

生産量に対して鋳型の数が少なくすむので、

① 単位時間の生産量が増える。

② 全体の鋳造時間が短くて済む。

③ 全体的な押し湯の量が少なくて済むため、地金負担や地金の回転率が良くなる。

 

大きな鋳型のデメリット

① 設備のイニシャルコストが高くなる。

② 生産コストを考え、本来鋳造条件を別にしなければならないデザインを同じ鋳型に入れると鋳造欠陥が発生するリスクを伴う。

③ ひとつの鋳型に少ない数の製品を入れると、埋没材の無駄が発生する。

④ ひとつの鋳型で鋳造失敗が発生すると、失敗数量が増え歩留まりが下がる。

 

小さな鋳型のメリット

① 設備のイニシャルコストが安くなる。場合によっては、大型一台分の予算で、異なるタイプの鋳造機が2台設備できる可能性もある。

② デザイン形状を別にしてそれぞれの鋳型を作れるため、デザインに合わせた鋳造条件で鋳造が行える。

④ 生産量が少ない場合でも、埋没材にムダが出にくくなる。

⑤ 鋳造を失敗しても、最低限の失敗数量で収まる。

 

小さな鋳型のデメリット

① それぞれの鋳型で押し湯が必要になるため、全体的な押し湯量が増え地金の回転率が悪くなる。

② 鋳型の数が増えるため、実際の鋳造にかかる時間が長くなる。

③ 焼成炉の容量次第では、焼成炉の数を増やさなければならない。

 

ページトップへ